一人暮らしのアパートに彼女が初めて遊びに来た。
付き合って3か月、唇に触れたことはある。それ以上はない。
趣味の手料理をごちそうすることになっている。
食後の片づけを二人で終わらせ、最近面白い動画があってさ、とスマホでYoutubeを開こうとしたところ、誤って、履歴から別の動画を開いてしまう。
お気に入りの一人で何度も見た、あの動画を。
何故、このスマホはこんな動画を覚えているのだ、のたうち回るっても時が戻ることはない。。。
私たちは意識せずとも、これから起こるであろうことを想定して行動している。
朝起きて会社に向かう途中、駅まで歩いて電車に乗り、何駅で乗り換え、目的の駅からまた歩く。途中のコンビニで朝食用にヨーグルトを買おう、くらいはぼんやりと考えているだろう。
ところが、想定外の事柄、は常に起こりうる。
電車が遅延する、途中でトイレに行きたくなる、コンビニのレジが混んでいる、等々。
想定外の結果、会社に遅刻するくらいであれば頭を抱える程度でいいのかも知れない。
しかし、真剣に対処しなければならない危機もある。
では、想定外に上手に対処するためには、どうしたらいいのだろうか。
対処方法を解説する前に、想定外への対処には前提条件があることに注意が必要である。
それは、即時に対応しなければならない、ということ。
時間に余裕があるときのトラブル対処とは全く違う、と言うことを理解しなければならない。
具体的には、妻から、キャバクラの名刺がスーツの胸ポケットに入っていたんだけど、と問い詰められた際、それをメールで受けたのか、直接目の前で言われたのか、は対処の方法が異なり、ここで対象としているのは後者であることだ。
■ソリューションは3つ、「時間」「事態」「準備」
想定外に対処するためには、まず落ち着いて考えてみることが必要だとか、悲観しないで乗り切ることが必要ですとか、精神論はここでは対象にしない。
具体的なソリューションは、想定外で何を困っているのかを見直すことで見えてくる。
まず、想定外に対処が必要だということは、先に前提として述べた通りで、即時に対応する必要がある。これを即時で無くす、つまり「時間」に働きかけるのが第一のアプローチである。
次に、困っているので、解決策が浮かばない状態である。解決策を考える、つまり「事態」に働きかけるのが第二のアプローチである。
最後に、そもそも思っても見なかったことが起こったことが問題なので、事前に思っていたこと(そして対応策も考えて置いたこと)であれば想定外の問題にならない、という「準備」をしておくのが第三のアプローチである。
■アプローチ1:時間に働きかけるとはどういうことか
想定外への対処は、まず、「今」困っているを、今ではなくすことから始めるべきである。
具体的には、そもそも、今すぐに対処しなければならないのか、まずは一度考えてみる必要がある。
停電でエレベーターが止まった、ライトも切れて真っ暗になった、という場合、今すぐすべきことは恐らくない。
その結果、想定外への対処にはならなくなる。
別の事例としては、家に帰って自分の部屋に行ってみると、ベットの下に隠しておいたものが、母親によって机の上に移動されている、こともある。あるいは、明らかに掃除した跡があり、見られた形跡がある、でもいい。
この場合も、すぐに何かをする必要はない。台所で夕食の準備をしている母は間違いなく反応をうかがっているはずだが、夕食までは顔を合わせる必要がない、つまり時間があることを自覚しよう。
そして、今すぐに何かをしなければならない場合、こちらは面接で想定外の質問をされたような場合、には、時間を稼ぐべきである。
面接での時間の稼ぎ方はよく知られているように、相手の質問を繰り返すこと、少し時間をくださいと頼んでみること、などがある。
数秒でも時間に余裕を持たせることのありがたさは、筆舌に尽くしがたい。
別の事例として、妻から風俗店の会員証(自分で署名済み)を目の前に突き付けられた場合の時間の稼ぎ方は、抱きつく、である。
なんならそのまま押し倒してしまえばさらにいい。
長くなってきたので、アプローチ2、3については、各自お考えいただきたい。
なお、本日の昼食はチェーンの居酒屋で、豚の生姜焼き定食を注文したのだが、味噌汁は、味噌を入れ忘れたらしくお湯、白湯であった。
想定外はどこにでも転がっている、このことは覚えておいて損はない。