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東村山市中央公園周辺に住んでいると世界はこう見えています。偏見多めでしょうが。

理想論であることは重々承知しているが、憲法改正の議論については、全ての有権者が同じ土俵で議論すべき事柄である、と私は思っている。

何故なら、憲法というのは、価値判断の根本的な基準だからだ。

国家は何をしても良くて、何をしてはいけないのか。

国家との関係で、あるいは私人間の関係で、どこまで制限されるべきで、どこまで自由であるべきか。

誰もが関わる問題であり、そこには理論的な優劣は存在しないのではないか。

優劣が存在しない以上、どうしたいのか、の意思を問うしかなく、意思に優劣はないと思うのである。

この点、他の法律や制度とは全く異なる。

何故なら他の法律や制度は、何が問題になっており、どのような対応方法があり、どのような効果が見込まれるのか、誰もが理解できるわけではないからである。

もちろん、正解があるわけではないことは同じである。

しかし、理論的により正解に近づける努力はできるものと思う。

そして、憲法の内容についての議論ではなく、改正の手続きについての議論は、法律や制度の話に近い。

憲法の文言についても同様である。

具体的に憲法9条を取り上げてみる。

共通の土俵で議論すべき事柄は、他国から軍事力を行使された際、対応できるような軍事力を日本は持つべきなのか?である。

この答えは理屈ではなく、意思なのだと思う。

そして、意思については、議論することにあまり意味がないように私は思う。

一方で、軍事力を持つべきであるにせよ、持つべきでないにせよ、9条を改正すべきか、という議論が別にある。

9条を読んで、自衛隊が違憲ではない、という理解に到達する人がどれだけいるのだろうか、という問題である。

これについては、より望ましい方法を探し出すべく、議論すべきだと思う。

さて、安倍首相が2020年に憲法改正を行うという意欲を表明している。

これについて、国会で質問され、「読売新聞(に書かれている首相のインタビュー記事)を熟読してほしい」と答弁したことを野党及び朝日新聞を初めとする一部の新聞が批判している。

https://www.buzzfeed.com/kotahatachi/yomiuri-interview?utm_term=.pd5gPVBeP#.kepmaYAKa

安倍さんの言い分は、国会答弁は首相として回答すべき、憲法改正への意欲は首相としての発言ではない、だから憲法改正に関する安倍さんの意見を国会で聞かれても答えるべきではない、というものである。

憲法の内容についての議論は、首相として回答すべきことではない、はその通りだと思う。

一方で、一定の国民的な価値観の存在(例えば最低限の軍事力は保持すべき/一切の軍事力を保持すべきではない、といった)が固まっているのであれば、文言や手続きについて、首相として答弁すべき事柄だと思う。

従って、前者を前提とする答弁を一方的にしたことは、やや不親切、だと言う気はする。

朝日新聞の社説で批判されているのは、そもそも「首相として」という立場を使い分けたことだったりする。

http://www.asahi.com/articles/DA3S12931045.html

私には、使い分けること自体が不適切、と批判されていることに強烈な違和感を感じる。

仮に、安倍首相は米とパンのどちらが好きですか?みたいな質問があれば、返答する必要はないと思う。何故なら、個人の嗜好、つまり私人としての事柄だからである。

そもそも、質問自体が対話を深めることを目的にされているように思われず、不適切なんじゃないか、とも思うのだが。

いずれにせよ、首相としての立場の使い分けも許容できない人たちにとって、現在の憲法のありよう、つまり文言と実態が異なっていることは相当に容認できない状態なのではないだろうか。

図らずとも、首相は真意を説明することなく、憲法改正の必要性を周知させたともいえるのではないだろうか。

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