西東京市の市長選挙が2017年2月5日に行われる。
現職の丸山市長と、前回(2013年)の市長選挙へも出馬した杉山昭吉氏の一騎打ちとなりそうな模様である。
余り話題になっているようには思われない。
報道はぽつぽつ出てきているが、個人ブログなどで言及しているものはごく少ないのではないだろうか。
首長選挙については現役首長が圧倒的に強い。
これは以前、都議会議員のブログに書いてあったが、非常に納得できる。
http://otokitashun.com/blog/daily/13947/
上記の記事にある四条畷(しじょうなわて、と読むそうです)市の市長選について、現職は何故敗れ、新人は何故勝てたのか。
前市長は大阪維新の会の推薦を受けていたようだが、正直、関西圏における大阪維新の人気・知名度がよく分からない。新人候補は無所属。この点が勝因に挙げられる(政党推薦候補が嫌がられる)指摘もあったが、大阪維新の支持率が分からないので何とも判断しがたい。
また、前市長は人柄も良く、一定の成果を残していた上に、特段の不祥事があったとの情報もない。
学校の統廃合について市民の反対を推し進めた結果、という話がネットではあがっているが、これと若い対立候補(28歳)への期待感が合わさったものが勝因なのではないかと推測される。
今回の西東京市市長選挙において、新人の杉山氏が丸山現市長に勝つ見込みはあるのだろうか。
丸山市長について大きな醜聞が聞こえてくることはない。人柄についても、政策についても。
年齢は現職、新人ともに、もうちょっとで70歳、と大きく違わない。
現職市長は自民党の推薦を受けており、新人は共産党の推薦を受けている。両候補とも政党の色が濃い。現状、安倍内閣の支持率は高く、共産党に風が吹いているとも思われない。
そのため、丸山市長が再選する可能性が高い、というか落選する理由が見当たらない、と私は見ている。
政策については、大きなミス・批判なくやってきた丸山市長であるが、もっと良いやり方があるのかもしれないし、それを新人の杉山氏が説得できれば可能性があるのかもしれない。
しかしその可能性は低いのではないか。
杉山氏が主張する論点が二つある。
一つは、西東京市の行革アクションプランによって、市民の負担が増える一方、サービスが削られている、という主張だ。
一見、当然のいいことを言っているように聞こえる。
しかし、西東京市の行革アクションプランは市民に嫌がらせをするのが目的ではなく、市の財政を将来的に健全にすることを目的に作成されている。
そのため、負担を減らし、サービスを向上させるためには、何か別の方法で財政改革を行わなくてはならない、もしくは改革しなくても財政的に問題がないことを示してもらわなくてはならない。
現時点で杉山氏がどのようなことを考えているのか、詳細が不明である。
そしてもう一つが、市庁舎統合の見直しである。
旧保谷市・田無市が合併してできた西東京市には、合併前の両市の市庁舎(市役所)がそのまま残っているが、市役所統合する方がコストが削減できるのではないか、と検討されている。検討されていると言うか、統合されることになった、というべきか。
こちらについては、統合の是非について市民の意見を聞きなおしたい、のだという。
市庁舎統合については、コストを削減すると言うメリットに対して、どんなデメリットや問題点があるのか、正直よく分からない。
市民の声を聞きなおす、という主張は、統合はしないと言っているに等しい、誰もが納得する結論なんてないのだから。
最後に、市長選挙に限らず、選挙には多額の費用がかかる。
そのため、どうせやるなら、多くの人に関心を持ってもらうべきである。
しかし、現状は関心が高いとは言い難い。
どうしたらいいのか?
まずは、もっと情報がなくてはならない。
公共施設の駐車場料金が無料だったものを有料にするのは反対だ、それは分かる。でも、有料にするにはそれなりの理由があると思う。
関心がないと言うことは、そこに理由があってやむを得ないのだと納得することなのだ。
だから、どうして問題なのか、をまずはしっかり説明するべきではないだろうか。
朝のひばりヶ丘駅では、生活者ネットワークの後藤先生が市長選について言及しながらビラを配っておられた。
中身を拝見していないのではあるが、そのような活動は非常に立派だと私は思う。
市議会議員さんとして市政をよく見ている人が、今の市長にはどのような問題があるのかを発信してくれないと、部外者が一から調べるのはあまりに手間だからだ。
できたら、ビラじゃなくて、ネットにアップしていただけると、さらに有難いのだが。