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東村山市中央公園周辺に住んでいると世界はこう見えています。偏見多めでしょうが。
友達と会う予定が急に中止になった、とか、自分は元気なのに学級閉鎖で休みになっ
た、とか、そんな場面を想像してほしい。
時間がぽっかりと(例えば丸一日)、空いた時に何をしたいか。

溜まっている用事を片づける、とか。
普段は忙しくできない事柄にじっくり取り組んでみる、とか。
ボーっとして過ごす、とか。

私はできることなら、美術館に行きたいと思う。
と言うと、美術やアートに興味があるんですねと返される。
知らない人が相手だと、まあそういうイメージを持ってもらっていいか、と思って、
笑ってごまかすのだが、正直、展示してあるものにほとんど関心がない。

絶望的に絵が下手なので、自分で描くことは落書きですら、まずありえないし、絵の
具をぬったことは中学校卒業以来、一度もない。
画家の名前だって、ピカソなら知ってるぜ♪と胸を張る程度である(逆に他の画家な
んかまったく知らない)。
どんな絵を見ても、その絵にどんな価値があるのか、さっぱり分からない。
アートなんて自分の好きなものを、好きなように見ればいいんだよ、という意見もあ
るが、そもそも「好きなもの」と言われても、と思う。

では、そんな私が美術館に赴く理由は何か。

美術館に到着して、最初にすることは、どんな人が来ているのか、周りをよく見てみ
ることだ。
圧倒的に、年配の方、それも女性が多い。
単独で来館する人は少なく、数人連れ立って、が多い。
この人たちはどんな繋がりなんだろう、普段の生活の中で絵を見たり、描いたり、語
り合ったりするのだろうか、そんなことを想像する。

実際に絵画を見始めると、年代や背景の説明にざっと目を通す。
その時代、誰が、どんな時に、この絵を眺めていたのだろうか。
やはり書いている画家にはあまり関心がない。
テレビもインターネットもない時代(が人類の歴史のほとんどであり)この絵はどの
ように楽しまれたのだろうか。
そんな、描かれた後の利用されている場面を想像する。
まあ、想像というほど細部が分からないので、頭の片隅に置きながら、見ていく。

美術館は静かな時間が流れており、他人がいることを意識から消すことができる。
絵に集中できる環境とも言えるが、思考が制約なく広がっていくことを実感できる。
言い換えると、あれやこれやと余計なことを考え始める。

その余計なこと、その中身こそが、今の自分にとって一番大事な問題、なのである。
つまり、自分が抱えている、一番の(と自分で思っている)問題を炙り出せること、
それが私が美術館に足を向ける意味である。

そんな過ごし方をした一日は、記憶に残らない。
どんな絵を見たのかも覚えていないし(一生懸命見たところで覚えているわけではな
いが)、そんな一日があったことすら、記憶から漏れてしまう。
ぼっかりと空いた一日は、こうしてぽっかりと空いたまま、消費されることになる。
これを無駄な一日だと思うかどうかは人によるのだろうが、空虚な一日であることは
間違いない。

同じようなことは、クラシックのコンサートに行っても体験することができる。
私にはクラシックの良さも分からないが、考え事をするにはぴったりな場所であるよ
うに思える。
クラシックの問題は、途中で席を立てないことと、座っているので寝てしまう危険性
が高いことである。
そのため、立ち席で出入り自由なクラシックコンサートが開催されれば、私のような
ファン(?)のニーズには合致している。

ところで、目下、私の関心は、どうやって美術館に行く時間を作るか。
忙しくていけないのではなく、忙しくなくて、毎日行けてしまいそうなのである。
これではぼっかりと空いた一日ではなく、美術館に行くには適さなそうなのだ。

そんなわけで、美術館に行くより空虚な毎日を過ごしているような気がしないだろ
か。
そうさ、あんた、間違いないさ。
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