Welqというヘルスケア情報を扱うサイトに掲載された情報がひどい、と炎上し、運営会社であるDeNAが他の運営するメディアともども閉鎖したことがニュースになっています。
DeNAの社内体制や企業文化等、多くの論点が残っています。
それとは別に、もっと根本的に、Googleを初めとする検索エンジンに表示される情報が有用なものとなるにはどうしたらいいか、という議論も出てきています。
私がSEOや検索エンジンに専門知識を持っていないため、素人が考えるとこんな対策があるよ、を思いつくままに書いてみました。
(1)検索エンジンで変えられること
(2)別の検索エンジンを使うこと
(3)表示を変えること
(4)その他
(1)検索エンジンで変えられること
今起こっていることは、Googleなどの検索エンジン(メンドクサイから以下Googleで)では、検索結果を順番に表示しており、より初めの方に表示されること(上位表示させること)がアクセス数の向上につながっていること、です。
そしてアクセスが増えることが、広告を出稿してもらうなど経済的なインセンティブに繋がっています。
検索の結果は、Googleの内部ルール(これをアルゴリズムと言います)に従うのですが、このルールは明示されていません。
しかし、体験からまたは理論的にこのルールを理解し、そのルールに従ってページ(コンテンツ)を用意してあげると、上位に表示させることが可能です。
内部ルールが、より有用な情報を上位に表示させるよう変われば良いのだ、Googleがんばれ、という指摘もあります。
個人的には、一民間企業に求めるにはハードルの高い課題であると思います。
コストがかかるか、そのような方法が見つからないか、そのいずれかでなければ、もう既に対応が終わっていてもおかしくないです。
逆に今そうなっていないにはそれなりに理由があるんで難しかろうと。
そもそもなんですが、私が検索した結果、とあなたが検索した結果、が同じである必要があるのでしょうか。
私は同じであった方が便利な気がしなくもないけど、別にバラバラであってもそれほど困らないと思います。
そうすると、同じ検索エンジンであっても、いくつかのアルゴリズムを用意し、人によって変えることで、検索結果が異なり、検索エンジンの上位に表示させようとする努力(これをSEOと言います)を無効にできるかもしれません。
なお、個人がこれまで検索の結果、どのようなサイトを見ているのか、と言う情報から、より本人にとって有用な情報を上位表示させることも考えられます。例えば、私が料理名を入れて検索する場合、西東京市の子連れ可、というお店ばかり検索しているのなら、初めから子連れ可と言う情報を上位表示させるようなことです。
ただこれ、考えてみると、私がいつも、午後になるとお腹が空いてお菓子の情報を検索しているからと言って、上司の前で検索したらお菓子の情報ばっかり出てきちゃうと気まずいですよね。
なので、どのようなシチュエーションでどのような情報を多く表示させたいかについて本人の納得を得るのが難しく、あまり流行らないのでは、と私は思います。
(2)別の検索エンジンを使うこと
アルゴリズムを変えるために、Google以外の検索エンジンを利用することも一案として考えられます。
結果としてGoogleにのみ効果のあるSEOをかいくぐることに繋がる可能性もあります。
検索エンジンを使い分けるのは、結果の表示画面が異なるため、結構面倒です。
具体的には広告の表示位置が違います。
なので、Googleのような感覚でクリックすると広告だった、ということが多く起こります。
一方で、逆に言えば、Googleと同じような結果表示さえしてくれれば、他の検索エンジンでも構わないような気が私はします。
現在、日本でも世界でも、Googleのシェアが圧倒的です。
そして、簡単に新規参入できる領域ではありません。何故なら、開発コストが膨大にかかるためです。
しかし、アルゴリズムによる検索は必ずしも万能でなく、ユーザーのGoogle離れが起きていることはつとに指摘されています。
その一例がInstagramです。
私も初めて聞いた時にはびっくりしましたが、今どきのワカモノは、まずInstagramやTwitterで検索する人が全体の6割近くいる、というデータがあります。
そのため、Googleと同じようなアルゴリズムの競争ではなく、他の検索方法が新規ビジネスになる可能性があります。
Q&Aサイト、Yahoo!知恵袋やOKWave等も、検索方法の一つと言えます。
適当な単語、「西東京市 天気」と入れると回答者が信頼のできるサイトの情報(気象庁のデータだったり)を調べて教えてくれる、というサービスがあってもいいと思います。
誰が答えるんだよ、とかマネタイズは、とか、はいろいろ思うところがありますが、ここでは端折ります。
(3)表示を変えること
以上、検索エンジンの検索結果がもっと有用になるために、検索結果をどうしたらいいか、という観点で書いてきましたが、ちょっと別の問題として盗用(パクリ)の問題があります。
どこまでをパクリと判断するのか、という難しい問題はあるものの、遅かれ早かれ、類似性の高いコンテンツは基本的には表示させない、という方向に少なくもGoogleは舵を切るのではないか、と思われます。
その際、困ってしまうのは、引用をどうしたらいいのか、ということです。
文章において、引用は必要不可欠だと思いますが、現状の「リンク」は手間です。
実際に、ニュースについてSNSで言及された際、リンクが貼られていても元記事は見ずにコメントする人の多さがニュースになったこともありました。
私は書籍の脚注すら見るのが面倒で、どうしても必要な時以外は見に行かないのですが、そういう人は結構多いのではないか、と。
で、ウェブページの途中で、そのまま、タブを変えることもなく、文章に続けてリンク先を表示させたいと思うのです。
そういう表示ってできないのでしょうか。
多段階にリンクを見ている場合に、1層、2層に戻ることくらいは技術的に何とでもなりそうなんですけどね。
(4)その他
広告を出稿しているのが誰か、はこれから、もっと問われるようになると思います。
Welqに出稿していたのは誰か、現在、DeNAのメディアで唯一運営を続けているMeryですが(※2016/12/6時点でMeryも全面閉鎖)、ここに今なお出稿している企業はどこか。
相当にリスクがあるように思われます。
これを集計する方法なり、公表する方法なりがあると、それなりにマネタイズできそうなんですが。
私が知らないだけで、なんかありそうですけどね。
以上、初めにお断りした通り、素人考えです。
Welqの問題では、インターネットがもっと有用で楽しい空間になるように、いろいろな人が知恵を絞っています。
また、同時に、アメリカの大統領選挙での嘘ニュースの問題(ロシアが意図して虚偽のニュースを流してトランプ大統領誕生を手助けしたのでは、という問題)も起こっています。結構、似たような構造の問題のように私には思えます。
対応策として考えられていることの中には、記事を実名署名にするとか、官公庁の規制を入れるとか、そんなアイディアもあります。
でも、多くの社会問題と同様、望ましい解決は、望ましいことを誰もがした結果としての解決なんじゃないか、そんなことを忘れないようにしたいと思っていることを表明して結論に換えさせていただきたいです。