何を食べたい?は人類のたどり着いた最高の愚問です。
しかしながら現代社会では、この質問をどのタイミングで、どう使い、回答にどうリアクションするのか、は切実に重要な問題なのです。
しらかわ次世代による政治を考える会、という高校生の団体が政治家に、貧困問題についての公開質問状を送付、回答をホームページにアップロードしています。
http://shirakawanextgene.hatenablog.jp/
まず、当該団体の行動力を賞賛したいです。高校生だから、という枕詞は必要なく、行動を起こせることが素晴らしいと思います。
そして、回答された議員各位には深い敬意を感じます。
とりわけ、片山さつき議員は、自身に対する悪意も感じられるこの質問状に正面から回答されており、とてもすごいと思います(同じ日本人として、同じ大人として、回答してくださったことが誇らしい、と思います。語彙が拙くて申し訳ない)。
毎日、各方面から意見を聞かれ、回答がまともに取り上げられることよりも揚げ足を取られることの方が多いのが政治家ではないでしょうか。
そんな中、よく分からない団体からの質問に回答されることは、何より雄弁に、国民の声に耳を傾けつつも対話を行う姿勢を示しています。
他人や政権の批判、面白い自説の開陳、本心から歓迎されていない会への出席報告なんかよりも、このような活動(質問状への回答)を他にもされているのであれば、そちらを開示することがよっぽど人柄が伝わるのではないか、と思われるところです(あるいは回答しなかった質問にはどのようなものが、どれだけあるのかを開示されることにも意味があると思います)。
ちょっと話がずれますが、議員さんの活動報告って、ご自身でなされていることが多いですよね。
スタッフがおられるのでしょうから、誰かに任せてもいいのではないでしょうか。
情報量が増えるのであれば、喜ばれる話だと思うのですが。
さて、この公開質問状の内容ですが、質問内容が包括的、ざっくりであることが特徴です。
相対的貧困に該当する人々への支援や格差解消のための政策は必要だとお考えですか(質問7)という具合です。
そして、この質問7への回答は、回答を寄せた全員が「必要」と回答しています。
この質問に対して、良識を持って公の立場にある人が特別な意図(炎上させたいとか、冗談を言いたいとか)なく、不要、と回答することはないでしょう。
従って、この質問は回答者の良識の有無を確認しているだけで、貧困問題への対応を深化させることには繋がりません。
「支援」と「格差解消のための政策」という別物も混在させない方が、より建設的な議論に繋がりそうです。
多くの回答は、必要と言いつつ、他の回答も合わせて読むと、支援の必要性を念頭に置いていて、格差解消が必要なのかは判然としません(具体的な格差解消の方策についても他の質問への回答で述べられていません)。
片山議員の回答は、何らかの対応が必要である点に加えて、そのラインまではっきり(他の回答と比較すれば)示していることが特徴です。
特に相対的貧困への対応については、相対的貧困の定義や対応策(または財源)に幅があることが理解の進まない一因になっているものと思われ、片山議員以外の方々がどのように考えているのか、を伺う質問がなかった点が残念です。
また、全体的に、相対的貧困への対応策として、金銭支援が強調されています。
相対的貧困の発生を抑制する政策とは何か、あるいは将来的に格差を是正していくための税金投入以外の方法は何か、を問う質問があれば、より議論が深まったのではないでしょうか。
私の感想は、
・片山議員は頭がいいことが良く分かった
・山本議員の回答に滲む、もっと調べてから聞いてほしい、には共感する
・回答しなかった議員さんは実名が挙げられていて気の毒であるが、回答しない理由を述べることくらいはしてもいいのでは
・この会の次のアクションはなんだろう
です。
現在の日本に絶対的貧困が存在しない、のであれば喜ばしいことだと思いますが、それは解決された問題ではなく、日々解決に向けて努力されている人たちのおかげではないかと思います。
いずれにせよ、何を食べたい?と聞かれないのは嫌だけど、わかんないと回答したい、なんて人間がいるってことは、貧困であろうとなかろうと教育してほしかったと思う今日この頃です。
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