田無駅そばにあるチャニーは語られるべきよいお店だと思う。
何よりもまず、交通の便がよい。好立地(田無駅から歩けない距離ではなく、青梅街道沿い)にありながら、車では行きずらいそのロケーションが良い。歩いていくことで特別感を感じられ、歩いていくことで身近感を胸に抱け、歩いていくことで期待感が高まり、何より歩いていくことでお腹が空く。
次に外観がいい。一度知ってしまうと目に付く外観、目立つでもなく目立たぬでもなく、そこに確固として存在し、間違いなくあると実感される外観。扉の前に立つだけで、これから素晴らしい時間が始まると期待させられる外観。
加えて店内のインテリアがいい。一昔前の喫茶店ってこんな感じだったのだろうかと思わせるインテリア。カウンターの内側にはインテリアの一部としてみても相応しいマスターとおかみさん(店長と社長とか、なにか別の呼び名があるのかもしれないが)。ゆったりとした時間の流れを感じさせる、ゆったりと時間が流れることってこんなに落ち着くものなんだと感じさせるインテリア。
さらに店内の雰囲気がいい。よく地元の人を相手にしているお店があるが、ここもそんな感じ。私は地元の人でも常連さんでもないが、いつもこの雰囲気になじませてくれるように接してくださる店内の皆様が(もちろんお客さんはその都度違うんですが)いい。一見さんでも何の躊躇も必要ない。わずらわしくもなく、疎外感を味わうこともない、絶妙の距離感がここには存在する。
最後に味がいい。看板メニュー?の粥は美味しいし、バンメンなる都内に食べられるのはここだけ!とテレビで放送されていたものが、そのお店以外で食べられることもうれしい。もちろん、餃子もラーメンは正直普通だと思うけど、普通に美味しい。お値段も郊外の個人経営中華料理屋さんに比べて若干安いような気がする。お財布とお腹への満足感がすごい。
私はこのお店が大好きだし、ずっと続けていってほしいと思っている。でも、だからと言って通いつめる時間もお金も根気もない。正直、目くるめく刺激とか、度肝を抜かれる体験とかにも無縁である。平日昼間は勤めに出て市内におらず、週末もそれほど近くに住んでいるわけでもない私が通いつめることなどできやしない。そんな私に出来るとても少ない事柄の一つが、このお店を誰も見ていないいつか誰かが見てくれるかもしれないこのブログで褒めること。
それは、彼女のいる高校の先輩が陸上部で最後の大会に挑むのを片思いしながら眺めているようなものだと思う。
はかないとも思うし、切ないとも思うし、歯がゆいとも思う。
それでもいいのだ、それしかできないのだから。
私はこのお店が好きなんだし。